4月1日 どようび
嘘をついてもいいんだよ・・・。いいんだよ?






これまで、35年間生きてきた。

自分なりに、全力で生きてきたつもりだ。


それなのに、これまでの人生、何一つ報われていないような気がする。


嘘みたいな人生だった。



仕事を終え、ぐったりと疲れた身体を引きづりながら

自宅へ帰り、玄関のドアを開けた。

するとそこには


『あなたは、これからも胸を張って生きていいんだよ』


そう書かれたプラカードを持った一人の女の子が

人懐っこい笑顔で、ボクを出迎えてくれた。


初めて見るその女の子は

何故か懐かしく、そして愛おしく思えた。


気づけば、先ほどまでの疲れは消失しており

僕はその初対面の女の子に、全力で笑顔を送り返した。






「あぁ・・・、国家公認で嘘が許される日なのに、そんな夢を見る事さえ、ボクには許されないんだね・・・」
「玄関開けたら知らない人が立ってるなんて、もはや国家権力呼ぶレベルだよ・・・」
嘘をつかれる事もなければ、嘘をつく相手もいない。こんな人生を送る事になるなんて、想像もしてなかったな・・・」        
「・・・・・・・・・・・・。」
「誰でもいいから、『あなたの今までの人生は嘘だったんだよ』って言ってくれないかな・・・」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・ごめんなさい。こういう時、どんな顔すればいいかわからないの。」



「笑えばいいと思うよ・・・」





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