まずは、このゲームのストーリーを紹介するとしよう。
（※ 以下、説明書より）


20XX年、魔天都市ゼウスは
第三次世界大戦の核の炎から、奇跡的な復興を遂げた。

だが、この都市で生き抜くには、己の力とテクノロジー
それとプロテイン（強化食品）が必要だった。
やがて、「全てのプロテインと力を我が物に」のスローガンのもと、悪の秘密組織『バース』が誕生した。

『バース』は日ごとにその勢力を増し
街中であらゆる凶悪犯罪が頻発、ゼウスは破滅の危機に瀕していた。

ゼウス首脳陣は、この絶望的な状況を打破すべく、秘密裏にあるプロジェクトを進行させていた。
それは最強の肉体に最強の科学装甲をまとう強化兵士を作り上げることだった。

そして遂に、３人の改造人間を生み出すことに成功した。

・・・あまりのきらびやかさ故、彼らを見た首脳陣は顔面蒼白のまま
「薔薇野郎・・・」
そう口走ったという。

そして彼らは、生まれ故郷ゼウスを救うべく、『バース』に戦いを挑むのであった・・・




どうですか？ このぶっとんだ世界観。

なぜプロテインを必要としているのか？
そもそも、なぜ第三次世界大戦が始まったのか？
そして、何をどう見れば「薔薇野郎」と口走るのか？

しかし、そんな疑問は最後まで解明されることはない。

細かいことなど気にするな。
感情の赴くままに、ただその身をゆだねればいい。

まずは本編をプレイする前に、オプション画面から紹介していこう。

まず、目に飛び込んでくるのは、『難易度設定』であろう。
『美食戦隊薔薇野郎』の難易度は、次の３段階から選択することが出来る。

「ヌルい」  ／  「ふつう」  ／  「アツい」

真の漢であるならば
「アツい」以外の難易度が選べるであろうか？


否っ！！


難易度の選択肢など、あってないようなもの。
いつ何時、誰が何処でやろうが、本能的に「アツい」を選択してしまう定めなのである。

そして、この「アツい」を選択した場合は、難易度が格段に上がる上
コンテニューすら出来ません （この潔さが、素敵だね☆）

この『美食戦隊薔薇野郎』のゲームジャンルは
今ではあまりお目にかかれなくなった、ベルトスクロールアクションゲームである。
（※ 『ファイナルファイト』を思い浮かべてもらうとイメージしやすいだろう）

そのベルトスクロールアクションゲームに、必要不可欠なコマンドである
「アタック（攻撃）」 、 「ジャンプ」以外に
あるはずもないコマンド

「ポージング」

敵を一掃する必殺技？
単なる画面をストップするコマンド？


否っ！！


そんな「ヌルい」コマンドがこのゲームに存在するはずがなかろう。
この「ポージング」が意味することは

ただポーズを取るだけである。

そして、その間は

完全にスキだらけである。
（敵からの攻撃、受け放題だお☆）

画像では少しわかりにくいが
オプション画面のバックで激しいまでに踊り続けています。

この生き物は、「コンガマン」という名前以外、その素性は一切不明。

そして、永遠に語られることはない。

たかだがオプション画面を目にしただけでも
明らかに異質であることに気付いていただけただろうか？


次に、このゲームの登場人物である美食戦隊の３人を紹介するとしよう。




付いて来れないヤツは、おいてくぜ？

『バース』に自分の友とのデスマッチを仕組まれ
友を睡状態に陥らせてしまう。

絶望の淵にいるところを、博士に拾われ
爆発男爵となり
バースに復讐を誓う。


『元・闇ボクシングチャンピオン』という肩書きが示すとおり
パンチが得意の、いわゆるパワー重視のキャラクター。
攻撃力が高い分、機動力には欠ける。

そして、ボクシングチャンピオンなのに
なぜかプロレス技を使いこなす。

ちなみに好きな食べ物は「肉」

通常、プロフィールの好きな食べ物は、適当に流し読みするところではあるが
本作品では、『元・闇ボクシングチャンピオン』だったということよりも
この好きな食べ物こそが、ゲームを進める上で非常に重要となってくる。

なぜ重要なのか、その理由は今はまだわからなくていい。
いずれ、痛い程わかる時が訪れるのだから・・・

バースによるフェアリー狩りにより
絶滅の危機に追い込まれていた。

その時に、博士にバース壊滅を諭され
爆発貴婦人となる。


バースに復讐を誓うべく立ち上がった、有羽人種フェアリーの女王。
攻撃力、スピード共に平均的な、いわゆるバランス型のキャラクター。
動きに癖がない分、３人の中では最も扱いやすい。

そして、けしからん程の巨乳の持ち主。

好きな食べ物は、顔に似合わず「激辛食品」。

ちなみに、彼女のセクシーポーズに思わず見惚れていると、エラい目に遭うので注意。
（なぜなら、ポージング中は完全無防備だから）

博士が魔天都市ゼウスをうろつき
入手した動物たちの毛より造られたクローン人間。
さらなるサイボーグ手術を重ね
大爆獣となる。

合成動物のアンドロイドであるため、スピードは３人の中で最も早く
そして連続技にも特化している、いわゆるスピート重視のキャラクター。
その分、攻撃力は低めに設定されている。

そして、圧倒的に使いにくい。

好きな食べ物は「アイスクリーム」



以上のどろり濃厚ピーチ味以上に濃い３人の戦士が
悪の秘密組織『バース』に戦いを挑んだ美食戦隊である。


それでは、一通りの紹介が終わったところで
早速本編へ突入するため、タイトル画面へと戻るとしよう。

タイトルＢＧＭにあわせて
何故か歌詞が表示されていきます。


曲名 ： 『不明』
作詞 ： 不明
作曲 ： 不明


真っ赤な太陽燃えている
悪を倒せといざなう
じっと見つめている瞳の中に
炎も燃えている

だけど Ｈｕｎｇｒｙ
されど Ｎｏ Ｍｏｎｅｙ

世界の平和守るため
進め 薔薇野郎



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


・・・・・



初っ端からカオス過ぎだろ。

ゲーム本編にすら突入してもいない、月９ドラマで例えると
まだヒロインと出会ってすらいない段階なのに
この圧倒的な疲労感。


くっ、くそ・・・
このまま、このゲームの術中にハマってなるものか・・・
早く、一刻も早く、本編に突入しなければ・・・

そうして、ようやくゲームスタートのボタンを押すのであった。
（オープニング曲を口ずさみながら）