『賭博覇王伝 零 (ギャン鬼編)』
作画 : 福本伸行 (『週刊少年マガジン』 休載中)
義賊として世間を騒がせた少年『宇海零』とその仲間は
大富豪『在全無量』が建設中のギャンブルと遊園地の融合施設「ドリームキングダム」に呼ばれる。
在全が全財産を賭けて参加するギャンブルの代打ち
すなわち『王』を求めている為、零や他の者たちが集められたのだった。
賞金1000億円で振り込め詐欺の被害者全てを救う為
王を目指して園内のギャンブルに挑戦する零だが
――― そこは生命を、精神を、肉体を賭ける究極のギャンブルばかりだった。
(wikiより) |
『カイジ』や『金と銀』、『アカギ』や『天』といった数々の名作漫画を手掛けた
福本伸行が、全く新しいギャンブル漫画を産み落とした。
本作『賭博覇王伝 零』は、正義感が強く、頭脳明瞭でシャープ過ぎる顎の主人公『宇海零』が
悪の親玉『在全無量』の主催する、狂気に満ちたギャンブルを
至極の頭脳バトルで、文字通り命がけの心理戦を勝ち抜いていくというもの。
少年誌で掲載されている事もあって、他の福本作品と比べると
「手軽に読めるストーリー展開」「マイルドになった暴言や暴力描写」
「黒服のざわざわ度の減少」などの相違点がいくつか見受けられるが
それらの中でも、他作品とは群を抜いた相違点がある。それは・・・
話のテンポが抜群にいい。
とにかくこの一言に尽きる☆
主人公そっちのけで行われるゲームが4年近くも続いたり
半荘6回勝負の麻雀が、15年以上続いているのに、まだ終わらないとか
そんな事は一切ございません。
作者自身がインタビューにて、『零』は『カイジ』の10倍のスピードで展開し
ギャンブルからギャンブルへのつなぎも、できるだけ省いていくと語っている通り
サックサクにテンポ良くストーリーが進行していく。
しかし、そんなスピーディーな展開にも関わらず
「負ければ死」という極限の緊迫感は失われる事はなく
むしろ、凝縮されたページ数で描かれる心理戦は、ボクらの心を完全に鷲掴みにしやがるぜ (≧▽≦)

作中に登場するギャンブルは、どれもオリジナリティ溢れる斬新なものが多く
どうやったら、そんな発想が浮かんでくるんだ・・・と関心する程。
数学の問題や、クイズ問題など、ギャンブルというよりも謎解きに近いゲームもあるが
『ジャックルーム』や『100枚ポーカー』の熱さは異常。
ページをめくる手が止まらなくなる、かっぱえびせん状態に陥ること必至。
『カイジ』や『アカギ』とは、また一味違った福本ワールドを存分に堪能する事ができる本作品。
未読の方は、ぜひ一度、ご賞味あれ。
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