3月21日 きんようび
手塚治虫の名作と駄作の狭間・・・



「ではでは、今回は手塚治虫先生の漫画を紹介したいと思います。」                                   
「どうぞ、どうぞ。」



手塚治虫 『地球を呑む』 01巻   手塚治虫 『地球を呑む』 02巻



『地球を呑む』

作者 : 手塚治虫   出版 : ビッグコミック連載 (全2巻)
【昭和43年4月号 〜 昭和44年7月25日号】

「へぇー、初めて聞くタイトルだ。」
「確かに、手塚治虫作品の中でも、マイナーな部類ですしね。」
「じゃぁ、ちゃっちゃとストーリーの紹介を。」
「多少なりとも興味をしめすとかできないんですか、あなたは・・・」
「うぉぉぉぉ、待ってましたぁーッ!!早く、早く教えてくれー!!」
「・・・・・話進めますね。」
「しのびねぇな。」
「かまわんよ。」


昭和17年8月 南太平洋ガダルカナル島へ出征した日本兵・安達原鬼太郎関一本松の二人は
自分達が殺したアメリカ兵が持っていた写真に写っていた、絶世の美女に心を奪われる。

2人はこの美女の行方を探るも、「ゼフィルス」という名前である事以外、手掛かりを掴む事が出来ないまま月日は過ぎていった。それから20年後、今や大企業の社長となった安達原は、取引先からゼフィルスが来日してホテルに滞在しているという知らせを聞き、関一本松の息子、関五本松にゼフィルスの調査を依頼する。

酒に溺れて、アル中同然の生活を送っていた関五本松は、ゼフィルスとの出会いにより、これまでの平凡な人生が一変する。

少しずつ明らかとなってきたゼフィルスの目的とは、母を亡き者にしたこの世界に復讐をする事であった。
『お金を滅ぼす』『世界中の道徳や法律を混乱させる』『男へ復讐をする』という野望を抱き、この世界に混乱をもたらしていくのである・・・



「『復讐』がテーマの物語なんだね。」
「そうなんです。母の遺言を引継ぎ、復讐を誓う・・・という感じです。」



手塚治虫 『地球を呑む』 プロローグ 
物語のプロローグ



母の亡骸の前で復讐を誓う



「ほー、壮大なプロローグじゃん。」
「ストーリーの導入はインパクト大なんですけど、後半の失速具合は、昨シーズンの阪神を見ているようでした・・・」
「あら、そうなの。」
「手塚治虫自身も『途中で中だるみして、物語もひろがり過ぎて収拾がつかなくなった』って語ってましたし。」
「テーマは面白そうなだけに、残念。」
「広げすぎた物語を、しっかりと回収できていたら、確実に名作と呼ばれてたと思うんですけどね・・・」
「あと一歩で、名作入りって感じだね。」
「HKT48で例えるなら、しなもん(下野由貴)みたいなポジションですね。」
「いや、HKTで例えられても・・・」
『意地悪なんてしないもん』どころか、『復讐だってしちゃうもん』状態ですけどね(笑)
「いや、HKTネタをかぶせられても・・・」
「とは言っても、この漫画はこのまま駄作で終わるわけじゃないんです!!
「おっ!?」
「手塚治虫の漫画は!!!終わらねェ!!!!」



人の夢は終わらねェ!!!!



「この漫画が、このまま埋もれていってしまうのが、我慢ならんのです!!」
「おっ、急に熱くなったね。」
「物語の後半からは、これまでの流れと方向転換して、転換して1話完結のエピソードが何回か書かれてるんですけど。」  
「ふむふむ。」
「これらのエピソードがどれも、秀逸なんです。」
「普通の漫画家だと、途中で方向転換した場合って、2chで叩かれるくらいグダグダになっちゃうもんなんだけどね。

「そこは漫画の神様ですから

 ギャグ漫画のはずなのに、途中から丸い闘技場でバトルが始まるみたいな展開にはならないですよ。」
「ブラックジャックしかり、1話完結のエピソードを書かせたら、間違いなく史上最高の漫画家だしね。」
「ここからが、まさに手塚治虫の真骨頂ですよ。」
「ですな。」
「それと、もう1つ手塚治虫の真骨頂を感じたシーンがあるんです。」
「へー、どんなシーンなの?」
「それがこの場面です。」



手塚治虫 『地球を呑む』 ゼフィルス/ミルダ
良い子は見ちゃダメ☆



「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「エロいね。」
「エロの極みですね。」
「美しいね。」
「美の極みですね。」
「全裸で黒タイツだけだね。」
「フェチの極みですね。」
「これは読むしかないね。」
「ですね。」


▲Page TOP


BACK 過去の懺悔たち 3月分 NEXT


HOME

Copyright © 2005 Yukina. All Rights Reserved.

2014年3月21日 「手塚治虫の名作と駄作の狭間・・・」