TERRA FORMARS  −テラフォーマーズ−

                

※ 極力ネタバレは抑えてますが、気になる方は「戻る」ボタンをポチッとな。


テラフォーマーズ 全巻


『テラフォーマーズ』

原作 : 貴家悠  /  作画 : 橘賢一
出版 : 集英社 (週刊ヤングジャンプ連載中)



2013年版
『このマンガがすごい!』オトコ編  第1位
『全国書店員が選んだおすすめコミック2013』 第2位


すごい・・・親父が熱中するわけだ
すごい・・・親父が熱中するわけだ


もうね、これが熱いんですよ。めがっさ熱い。

設定やストーリーの斬新さもさることながら、それらを軽く飛び越えていく

圧倒的な恐怖と絶望感。

「手に汗握る」とは、この漫画のためにある言葉と言っても過言ではない!!

それでは、そんな熱すぎるエピソードを紹介する前に
愛情しか感じない程クオリティの高い、公式ホームページの紹介PVを見ていただこう。







西暦2599年――。
増えすぎた人口を他の惑星に移民させるべく、人類はあるプロジェクトをスタートさせた。

通称、テラフォーミング計画

『火星の地球化計画』と銘打たれたその計画は、地球人の移民先に選ばれた火星を
「人の住める環境」にするため、火星の表面に「特殊な苔」「ある生き物」を大量に放ち
火星を温暖化させるという壮大な計画なのである。

そして、その「ある生き物」というのが、我々にも馴染みの深い生き物・・・



ゴキブリである。



火星の表面に、苔とゴキブリを放ってから500年の月日が経ち
ゴキブリを駆除・清掃するため、乗組員15名を乗せた『バグズ2号』が火星へと向かう。

殺虫剤と、死骸を詰め込む圧縮ボックスを手に
ピクニック気分で清掃作業に取り掛かる彼らが、火星で目にした光景、それが・・・





テラフォーマーズ


!!!!!!!!!!!

無制限に降り注ぐ宇宙放射線に、マイナス80度の気温。
この過酷過ぎる環境は、地球で3億年間姿を変えなかったゴキブリを

進化させてしまったのである。

通常我々が目にしているサイズで、あの瞬発力と、あの頑丈さを兼ね備えている「彼ら」が
もともとの身体機能を残したまま、人間大のサイズへと進化した場合、どうなるか。





テラフォーマーズ 『マリア』
 チャールズ・ダーウィン 『進化論』   
 
 テラフォーマーズ 『火星のゴキブリ』



ヤベェ、ヤバ過ぎる・・・

圧倒的な戦闘力を身につけた「害虫の王様」が、容赦なく『バグズ2号』の乗組員に襲い掛かる描写は
恐怖以外の何者でもない。

見た目は人間に近いとは言え、害虫なのですから当然そこには感情なんてないわけで手加減なんて一切なし。
その際の不敵な笑みは、夢に見るレベルですよ、これは。


理由もないのに、何故こんな残酷な事が出来るのか・・・そう思った方も多いでしょう。
それでは、ここで冷静になって考えてみてもらいたい。

例えば自分家の台所に「G」が出現した場合、殺すでしょ?
冷静に考えたら、なぜ殺す必要があるのかわからないけど、全力で殺すでしょ?

相手にとっても、それは同じなのです。
作中では、これを「同属嫌悪」だと説明されていますが
なかなかどうして、この解説には説得力がある。お互い先祖の顔なんて見たくないってことです。

だからと言って、このまま黙って蹂躙されるだけではありません。
人類は負けたままでは終わらない。



テラフォーマーズ 『小町小吉』

全く見た事のないものと




テラフォーマーズ 『ゴッド・リー』

出合う時






人間は




テラフォーマーズ 『小町小吉 Ver.スズメバチ』



人間ではいられない。






テラフォーマーズ 『バグズ手術』


『バグズ手術』

人間に『昆虫』のDNA配列を後天的に組み込む事で
骨肉細胞を昆虫のものに変化させる手術。それが『バグズ手術』。

そして、それは注射器によって『液体の薬剤』を体内に注入することで、組織のバランスを崩し
昆虫人間に変身することで昆虫の特性を引き出すことが可能となるというもの。


この『バグズ手術』は、乗務員には現在の火星環境での長時間勤務を可能とするための手術であり
今回の探索は、火星の現状の把握、そして、ゴキブリの駆除・清掃が目的と知らされていた。

しかし、この『テラフォーミング計画』の裏には、大きすぎる野望が渦巻いており
この手術自体も、火星に進化したゴキブリが存在している事を知った上で行われていたという事実。

この手術の考案者は、なぜそのことを知りえ、どうやってこの手術を生み出したのか。
作中で何度か口にされる『母なるラハブ』とは、そしてこの計画の本当の目的は・・・。


これら様々な謎を含んだままストーリーは進行していくわけですが
何も聞かされていない彼らは、とにかく目の前の状況を切り抜けるしか生き延びる術がないわけです。

だから戦う。生き延びるためには、戦う以外の選択肢はない。





テラフォーマーズ 『ドナテロ・K・デイヴス艦長』
ドナテロ・K・デイヴス艦長


人間 vs ゴキブリ


お互いの存亡をかけた壮絶な潰し合いが、とにかく凄過ぎるわけですよ!!
もはや、異種格闘技戦どころの騒ぎじゃない。

バグズ手術を受けた乗組員15人全員が
それぞれ異なる昆虫をベースとしており、その能力を駆使して戦いに挑むも
その特性を生かす間もなく

殺られる。殺られる。殺られる。

主力人物として描かれていたはずのキャラクターが
次のページでは容赦なく殺されるという、ドキドキ感が半端ない!!





テラフォーマーズ 『ティン&蛭間一郎』
殺るか殺られるか



極限の緊張感と絶望感の中で
生き残るために、必死にもがき続ける姿が熱いのなんの。

熱すぎて、全身からアドレナリンがピューピュー吹き出ること必至!!

細かい理屈は抜きで、生きるか死ぬかの壮絶なバトルは胸を熱くさせてくれるぜ。
ページを読み進める手がとまらない。やめられない、とまらないのかっぱえびせん状態。

そんな圧倒的な熱量で描かれる1巻でプロローグが終わり、2巻からは
今回から更に20年後が舞台。バグズ2号の失敗を受け、乗務員100人を乗せた『アネックス1号』が
火星へと向かい、本格的な探索が開始される。

今回は、最初から対ゴキブリを想定して。

2巻は登場人物紹介がメインとなるので、多少の退屈さはありますが
3巻、4巻あたりから、一気に物語は加速していきます。

さらには、プロローグでは語られることのなかった、このプロジェクトの真の目的と
その裏側に潜む、各国の目論みが絶妙に絡み合うことで
ただのバトル漫画にはとどまらない、最高のスパイスを演出してくれます。

未読の方は、物語のプロローグにあたる第1巻だけでも読んでみて下さい。
この世界観に、あっという間に引き込まれると思いますよ。超絶お勧めです (≧▽≦)


あと、この漫画を読み終わった後は
やたらと部屋の隅っこが気になって仕方なくなる。
そんなテラフォーマーズあるある。





環境を代え、星を替え、姿形さえ変わり果てても・・・

戦いは終わらない。


   人間vsゴキブリ






これまで語ってきた通り、斬新な世界観が魅力ではありますが
この漫画の面白さを際立たせている要因の1つは
救いようのない程の絶望の中から生み出される、数々の名言、名セリフだと思うわけです。

そんな名言・名セリフについても、別ページにて徹底的に語り尽くしたいと思います。


    




  第01回 名言・名シーン特集 「小町小吉・膝丸燈・鬼塚慶司+日本軍 編」
  第02回 名言・名シーン特集 「ミッシェル・マルコス・アレックス+アメリカ軍 編」
  第03回 名言・名シーン特集 「アシモフ・イワン・劉翊武(リュウさん) 編」
  第04回 名言・名シーン特集 「アドルフ・エヴァ・ジョセフ 編」




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