『サンセット・ローズ』

                

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この世界を2分する、海洋に激しく立ち込める水蒸気の壁。


通称 『激道』


今から8年前、『ファルコン文明』が生み出した最大の汚点であり
生物兵器である『ライツワイズ』がこの世界に放った閃光は
その激道をぶち破り、まだ見ぬ「向こう側の世界」から、理解不能な様々を呼び込んだ。

それはやがて、「こちら側の世界」の海を、ゆっくりと異形の姿に変えていき
人々は、その変わり果てた海に、近付く事すらしなくなってしまった。



――― 命知らずのバカと呼ばれる「海賊」を除いては。





米原秀幸『サンセット・ローズ』 第1巻     米原秀幸『サンセット・ローズ』 全巻


『サンセット・ローズ』

作画 : 米原 秀幸
出版 : 秋田書店 (別冊 少年チャンピオン 連載中)



物語の舞台は、前作『フルアヘッド!ココ』の世界から8年後。

あの名作海賊漫画『フルアヘッド!ココ』が2002年に連載が終了し
それから10年歳月を経て、続編『サンセット・ローズ』が同氏の手によって描かれた。



もうね、オジサン涙が出るほど嬉しいんだよ(滝涙)



前作『フルアヘッド!ココ』は、自分がこれまでに読んできた漫画の中でも
5本の指に入るほどに、大好きな漫画なんです(≧▽≦)

番外編も含めて全30巻という、壮大なスケールで描かれたこの物語は
1話から、すでに最終話を見据えて描かれていたとしか思えない程緻密に張り巡らされていた複線が
終盤になるにつれて、徐々に回収されていくストーリー展開は、圧巻の一言。

ホント見事としかいいようのないエンディングを迎えた
間違いなく漫画史に刻まれるべき、傑作漫画なわけですよ。

その正統な続編が描かれるってんだから
涙が噴射しちゃったのも、全然不思議じゃないよね?ね?


ん? 『フルアヘッド・ココ』を読んだ事もないし
全30巻もある漫画を、いまさら読む気にはならないって?




無問題!全くもって無問題!!



続編として描かれてはいるものの、前作からのキャラクターが登場するわけではなく
物語の世界観を継承しているだけで、ほぼ別の作品として描かれているので
前作を知らない人でも、全く問題なく楽しめる仕上がりになっているのです。



サンセット・ローズ 『チェリー・ブラッサム』
チェリー・ブラッサム



本作は、チェリー・ブラッサムが率いる海賊『ハーティー・ハーティー』
この変わり果ててしまった海の全てを知るため、そして宿命に導かれるように船を出し
その先々で、様々な困難や、謎を解き明かしていく、大海洋冒険ロマンなのです。


もう何より、話のテンポがいいね!  いいネボタン


話が無駄に引き伸ばされる事なく、サクサクとストーリーが進行していくので
中だるみする事なく、飽きることなく一気に読めます。



     



そして、米原秀幸先生の真骨頂である、圧倒的な画力は、本作品でも健在。
知らず知らずのうちに、この漫画の世界観にグイグイ引き込まれること必至。

この圧倒的な画力は、デビュー作にして、巻頭カラーを飾ったり、映画監督である紀里谷和明氏が
「映像では表現できない」と絶賛したいう逸話が残っているほどの突出っぷり。

さらには、捨てキャラは一切描かないという米原先生のポリシーは
当然この『サンセット・ローズ』にも継承されており、主要キャラクターはもちろんのこと
登場する全ての脇役キャラ達からも、作者の愛情しか感じられなくて辛いのです☆



◆ サン (サンセット・ローズ)

     サンセットローズ 『サン』

変わり果ててしまった海の謎を解き明かすための、最重要アイテム『激動のしずく』
そのアイテムを所持する、謎の少年 『サンセット・ローズ』。通称『サン』

彼が所持する『激動のしずく』が、この物語のキーとなり
これを巡って、海賊同士の攻防が激化していくのだが、それはまた、別のお話。

このサンと、チェリーとの掛け合いが、絶妙過ぎて実に面白い。
要所要所でいい味出し過ぎだってばよ(笑)


◆ モーニング・グローリー

     サンセットローズ 『モーニング・グローリー』

孤高の海賊「モーニング・スター」として、暴れまわっていた海賊だが
チェリーの魅力に惚れ込み、行動を共にするようになる。

剣の実力は一級品であり、おまけに頭もきれる。
今では、海賊『ハーティー・ハーティー』には欠かせない、主要メンバーの1人。

ちなみに、仲間からの呼び名は「モーちゃん」


◆ ブルーム・リード

     サンセットローズ 『ブルじぃ』

嵐の立ち込める「浮島」で出会った、人間とは異なる種族の最後の生き残り。
チェリー達と出会う前までは、死ぬ事だけを考え、無気力な人生を送っていたが
ただひたすらに真っ直ぐに己の信念を貫き通すチェリーの直向さに惹かれ、行動を共にする。

自身の翼を羽ばたかせて、空からの奇襲攻撃や
大砲を避けながら相手の城に突入するなど、鳥人間の特徴を生かした動きで
『ハーティー・ハーティー』の幾多のピンチを救う。

仲間からの呼び名は「ブルじィ」


◆ バグロス

     サンセットローズ 『バグロス』

この世界で、最大規模の大海賊『フィフス・ホーンズ』の船長であり、悪の親玉。
チェリーの行く手を遮る、本作のいわゆるラスボス。

多くの海賊を傘下に置き、いくつもの国をも味方につける。
現時点では、『ハーティー・ハーティー』との戦力差は圧倒的。

圧倒的に強くて、圧倒的に悪くて
圧倒的にかっこいいんです。

味方だけでなく、魅力的過ぎる敵キャラが多いのも、米原漫画の特徴の1つ。


◆ レンジアブラザーズ

     サンセットローズ 『レンジアブラザーズ』

バグロスの部下である、極悪非道の三兄弟。
情報を奪い戻すために、平気で街の人々を皆殺しにするなど
目的のためには手段を選ばない、悪役中の悪役。

彼らの登場により、一気にこの漫画の面白さが加速する。
強力すぎる敵キャラの存在が、いかに重要なのかを改めて思い知らされた。

敵キャラってのは、悪けりゃ悪いほど、物語に面白みが増していくもの。
圧倒的な強さで、チェリー達を追い詰めていく展開に、ワクワクが止まらない (≧▽≦)




海賊ハーティーハーティー vs レイジアブラザーズ



命懸けのバトルが熱過ぎるぜ、チクショウ!!


前作『フルアヘッド!ココ』でのバトルは、『人間 vs 人間』というよりも
『巨獣 vs 化獣』という、街や船をぶっ壊しながらの超ド迫力バトルがメインで
所持している生物兵器の性能差で勝敗が決していた部分も大きかった。

しかし本作では、『ファルコン文明の遺産』『生物兵器』は登場しておらず
バトルの中心は、人間vs人間の白兵戦が中心となっているため
少数精鋭の『ハーティー・ハーティー』が、圧倒的な戦力差のある敵に挑んでいく展開に胸が熱くなる。



vs 海賊 !


vs 怪物 !!



vs 国家!!!



もはや、海賊船の性能の違いが

戦力の決定的差でないことを教えてやる状態。




そんなチェリー・ブラッサムの魅力に惹かれて、次第に仲間も増えていく。
サンを守るナイト、デンちゃんこと『レウカ・デンドロン』『スパイダー・リリー』も魅力的だが
一国の女王という地位を捨ててチェリーと行動をともにする事を決めた『パキ』



     サンセット・ローズ 『パキ』

巨乳過ぎるぜ、チクショウ!!

パキたん (´Д`;) ハァハァ。



そんな感じで、敵も味方も魅力的過ぎるキャラクター達で満ち溢れ
さらには、手に汗にぎる謎解きや、激熱バトルのオンパレード。
いやー、これから先、一体どうなっていくのか、楽しみで仕方ないであります、隊長 (・o・)ゞ


レンジアブラザーズの登場で加熱した『城攻め編』が終わり
その熱も一旦クールダウンすると思いきや、その後に続く『ヤシラズオ編』が面白いのなんの。


米原先生、こんな燃え盛る炎の中に

さらに、油をぶっ込んでどうするつもりっすか!?



そんな圧倒的な熱量を放ちまくっている『サンセット・ローズ』。
前作『フルアヘッド!ココ』からの読者も、そうでない方にも、全ての人にお勧めの作品。


とりあえず、読んどけってばよ!!



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