『男どアホウ甲子園』
原作 : 佐々木守 / 作画 : 水島新司 (全28巻)
本作の主人公の名前は、藤村甲子園(ふじむらこうしえん)。
実家が甲子園球場の正面にあるという事もあって
野球バカの祖父が実の両親の反対を振り切ってまで名づけられた。
水島新司の最大のヒット作『ドカベン』は、この2年後の1972年から『週刊チャンピオン』で連載されるのだが
実はこの『ドカベン』は、連載が開始されてから1年半くらいは
野球をやらず柔道漫画として描かれていた真実をご存知だろうか。
その理由が、この『男どアホウ甲子園』を別誌で連載していたためと言われている。
(結局は、連載中に野球漫画に方向転換するのだが・・・)
同時期にライバル誌に連載されていた事もあってか『男どアホウ甲子園』と『ドカベン』は対極に位置している。
バッティングの天才が山田太郎であるならば
ピッチングの天才はこの藤村甲子園。
相手チームを研究し、緻密な戦略をたて、正攻法で勝利を目指すのがドカベンであるならば
どんな相手だろうとも、剛球1本のみで全てをねじ伏せるのが、この藤村甲子園である。
また、水島漫画では珍しい『魔球』や『必殺打法』も入り乱れたハイテンションな試合展開や
延長45回を一人で投げ抜くといった、常人離れした試合が描かれたりする事などからも
リアリティを追求する『ドカベン』とは、正反対である事が理解していだけるかと思います。
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