『きりひと讃歌』 作:手塚治虫

                

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きりひと讃歌 全巻



モンモウ病

いつどこで何を原因として発生したかも不明であり
その病原体はもちろんのこと、治療方法も未だ確立されていない未知の奇病である。

感染ウイルスによるものなのか
あるいは、特定の地域の環境下により発症する風土病なのか・・・

全てが謎に包まれている奇病ではあるが、ただ一つだけ明らかになっている事実がある。

ひとたび、モンモウ病を発症してしまうと・・・




モンモウ病


人間でありながら、獣の姿へと変わり果てる。

激しい頭痛に襲われた後に、徐々に体中が麻痺して骨の形が変わっていく。
それはやがて、「異形」としか形容が出来ないような、醜い獣の姿へと変わり果ててしまう。
そして最後には呼吸麻痺を起こし、死に至る・・・


この謎の奇病であるモンモウ病患者の担当医であった一人の青年医師
小山内桐人(おさないきりひと)を物語の軸として、物語は展開されていく。





モンモウ病をビールス(ウイルス)による伝染病によるものだと唱える小山内の上司である竜ヶ浦教授
特定された地域の川の水や土質が原因で発症する中毒だと主張する小山内。

そんな小山内を疎ましく思っていた竜ヶ浦教授の命令により
彼は、自分が担当していたモンモウ病患者の出身地である徳島県犬神沢村へと赴任させられる事となる。

表向きは調査という名目ではあるが、それは自身の伝染病説が正しい事を証明するための
「生体実験」とも呼ぶべき企みを含んでいた。

そんな犬神沢村で、彼を待ち受けていたのは・・・




きりひと讃歌 『小山内桐人』


自分自身が、モンモウ病に・・・

獣の姿となってしまった彼は、医局からも抹殺され、人間の尊厳までもが踏みにじられる。
そんな絶望的な状況下にあっても、信念を貫き立ち向かっていく。

その先で彼が目にするのは、希望かそれとも絶望か・・・?



世間的には、手塚治虫の医療漫画の最高傑作は『ブラックジャック』であると言われているが
それに勝るとも劣らない作品、それがこの『きりひと讃歌』である。

医学博士である手塚治虫だからこそ表現できる描写や、物語の展開。
そして、最後まで話の軸がぶれることなく、無意識のうちに引き込まれてしまうほど深いストーリーは

秀逸過ぎるの一言。

単行本、文庫本、ハードコミックなど、様々な形態で発表されているが
この物語のページ数は約800ページ

そんな短編物語であるにも関わらず、ストーリーの重厚さは「どろり濃厚ピーチ味」並みに半端ない。

そして・・・




きりひと讃歌 『たづ』   きりひと讃歌 『吉永いずみ』
たづさん / いずみさん


登場する女性キャラの魅力も半端ない。
(あと、ちょっとエロイ☆)

いずみさん、たづさん、ヘレン、麗花・・・
手塚治虫が描く女性キャラは、神がかり的な色っぽさを漂わせています。

その中でも神推しなのが・・・






きりひと讃歌 最高の名言


たづさん、あんたホントいい女過ぎるよ ・゚・(ノ∀`;)・゚・


この作品が発表されてから、すでに40年以上の月日が経っているが
未だに色あせる事のないこの作品は

手塚治虫が漫画界に産み落とした屈指の名作といっても過言ではない。

未読の方には、自信を持っておすすめできる作品である。



あっ、そうそう1つ言い忘れてました・・・







きりひと讃歌 『人間テンプラ』
良い子は決してマネしないようにね☆


人間天ぷら

トラウマになる率120%


この漫画のストーリーは知らないのに
なぜか多くの人が知っている「人間テンプラ」という言葉。

これはまるで『ポートピア連続殺人事件』を実際にプレイした事がないのに
みんなが知っている「犯人はヤス」という言葉の如し。

この衝撃的な儀式の真相を知りたければ、書店へGO!!
そして、あなたも消せないトラウマを・・・




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