『慟哭 そして・・・』攻略レビュー
〜恐怖とパンチラのあいだ〜


                

※ 微妙なネタバレと過激な表現を含んでますので、気になる方は「戻る」ボタンをポチッとな。




「野郎ども、待たせたな。今宵の俺は、いつもとは一味もふた味も違うぜ?」
「え?いきなり、何キャラ!?」
「ってことで、今回紹介するソフトは、今から18年前に『セガサターン』で発売されたタイトルになります。」   
「セガサターン全盛期から、もうそんなに月日が経ったのか・・・」
「それだけの月日が経った今だからこそ、声を大にして言いたい!!」
「ん、なんて?」
「このゲームこそが、独自路線を貫いたセガサターンが産んだ『奇跡』であると!!」



『慟哭 そして・・・』(セガサターン) タイトル画面
タイトル 慟哭 そして・・・
ジャンル トラップ・アドベンチャー
発売日 1998年02月26日
対応機種 セガサターン
発売元 データイースト



「全然聞いた事のないタイトルだ。」


「これは知る人ぞ知る隠れた名作ゲームで、今ではソフトにプレミアがついてるくらいなんですよ。」

「発売元は、今は亡き『データイースト』なんだね。」


「そうなんです。なので、今後もリメイクや他機種への移植は期待できませんし

  正真正銘セガサターンでしかプレイ出来ない、まさに『隠れだけゲー』なんです!!」

「通りで、聞いたことのないタイトルなわけだ。」


「プレステよりセガサターン派だったので、ドラクエもファイナルファンタジーもできませんでしたけど 

 このゲームに出会った瞬間に、自分は完全に勝ち組だと確信しましたよ ( ̄ー ̄) ニヤリ

「当時いたな、そうやって優越感に浸ってる奴・・・」






【ストーリー】
         山間の小さな町、大中山町。ここでは2つの事件が起こっていた。
         中学生や高校生の相次ぐ失踪と、病院で起きた医療ミス疑惑。

         主人公の『時田一也』はそんな事件とは縁の無いごく平凡な学園生活を送っていた。

         ある日、密かに想いを寄せていた幼馴染である『笹本梨代』と一緒に下校することになるが
         乗っていたバスが途中の山道で乗用車と衝突事故を起こした際に気を失う。

         しばらくして一也が目を覚ましたのは謎の廃屋であり、その入り口は何故か塞がれていた。
         一也たちは閉鎖空間から脱出を図るべく、彷徨うことになる。

        (Wikipedia より)










「乗っていたバスが横転事故に遭い、意識を失ってる最中に運び込また『廃墟となった洋館』で主人公は目を覚まします。」
「な、な、、、何ィ!! ってことは、ってことは・・・!!!」






「これぞまさに、『見知らぬ、天井』ってやつですね (*´艸`*) ププ
「全てが謎に包まれたこの洋館の扉を開けるところから、物語は始まります。」
「見事なまでに流された・・・」
「その扉こそが、悲劇の始まりだとは知らずに・・・クックック ( ̄ー ̄)
「いや、怖いよ・・・」





慟哭 そして・・・ 『真理絵先生』



     慟哭 そして・・・ 『ノーマ』




「この洋館に閉じ込められたのは、男女含めて10人になります。」
「女子率多し。」


「可愛い女の子たちが数多く登場する、いわゆるギャルゲーちっくテイストのこのゲームが

 当時高校生だった自分の人生に、絶大な影響を与えたのは言うまでもありません。」

「いや、堂々と言う事じゃないでしょ・・・」
「個人的には『真理絵先生』が大好きでした (≧▽≦)
「別に聞いてないから・・・」
「所謂大人の魅力ってやつですね。一目見た瞬間から、魂が震えに震えましたよ(≧▽≦)
「・・・・・・・・・・・・。」




「今思えば、この年まで脈々と受け継がれている年上の先生属性は、この時から始まっていたんだと思います。」







「そうか、君はそんなにも早い時から道を踏み外していたんだね・・・」




「大人の魅力溢れる学校の先生に憧れ続けて、はや34年。今では学校の先生の大半が自分の年下という現実。

「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「そ、そういば、このゲームのジャンルって何になるの?」
『トラップ・アドベンチャー』ですね。」
「トラップ・アドベンチャー?」





     




「閉じ込められた洋館の中を探索し、謎を解き明かしていきながら、脱出を目指す事がこのゲームの目的となります。」
謎解き脱出アドベンチャーゲームってことか。」
「部屋の中を調べたり、仲間と会話をすることによって、『アイテム』を入手したり『新たな情報』を得ることができるんです。」
「ふむふむ。」


「そうやって少しずつ進めていくことで、今まで入れなかった部屋に入る事が出来るようになったり

  必要となるアイテムの入手方法が判明したり・・・など、徐々に行動範囲が広がることで、危機を回避したりできるんです。」

「なるほど、そうやって仲間たちと協力しながら、みんなで脱出を目指していくって感じなんだね。」
「まさにその通りです。」
「ってことは、あれだ。一緒に力をあわせて危機を乗り越えていく事で、ヒロイン達の距離も縮まっていって

その後にはギャルゲーちっくな最高の展開が待ってるってわけだ☆」
「あはは、それについては、このあとじっくりと説明しますってば ☆」
「ごめん、ごめん、フライングしちゃって。フライングゲット、なんつって☆」


「もう、はしゃぎ過ぎですってば☆

 それでは、このゲームの基本的な流れを順番に説明していきますね。」

「了解であります、隊長 (・o・)ゞ









     




「先ほどもお話しましたが、基本的な流れとしては、いくつかの部屋を探索しアイテムや情報を集める事から始まります。」
「そうやって入手した情報やアイテムを駆使して、さらに新しい謎を解き明かしていくって感じなんだね。」
「そうですね。欠けていたピースが1つ1つ埋まっていく爽快感が、このゲームの魅力の1つなんです。」
「なるほど。」
「そして、上記とは全く相反する感情となるんですが、このゲームにはもう1つの魅力があります。」
「ふむふむ。」



「それが、『極上の緊張感』です!!」


「極上の緊張感?」
「画面上に表示こそされてはいませんが、このゲームには『時間』の概念が存在するんです。」
「そうなんだ。」
「この『時間』は、プレイヤーが行動を起こしていくたびに、段階的に進んでいくんですよ。」
「ってことは、その『時間』も頭に入れながらプレイしないといけないんだね。」


「そのため、間違った行動を何度も繰り返してしまったり

  必要とする時期までに『情報』や『アイテム』を入手出来ていなかったりする等、無駄に時間を消費してしまうと・・・」

「消費してしまうと・・・?」
「死ぬんですよ。」
「え!?」





「死ぬんですよ、ヒロイン達が。次から次へと・・・!!」









慟哭 そして・・・ 『真理絵先生 殺害』



     





「ええええぇぇぇぇ!?
「みんなで仲良く脱出!? 恋が芽生えたらいいな!?」





「甘い、甘過ぎるんだよッ!!」




「ビクッ!?」





「これは遊びなんかじゃねー!

 命を懸けた究極のサバイバルゲームなんだよ!!


 ギャルゲーちっくな最高な展開が待っているかもって

 ほざいてやがったな!?」





「え、あ、はい、す、すいません・・・」





「ゲームの最後に待ってるのはなぁ!!




 最高のバッドエンドだけなんだよっ!!」





「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「コホン・・・すいません、少々取り乱してしまいました。」
「いろんな意味で恐すぎるよ・・・」
「とにかくこのゲームは、プレイヤーの行動によって、仲間たちが次々と死んでいくんですよ。」
「絵柄とのギャップが凄すぎる・・・」
「明らかな危機的状況ならまだしも、何気なくとった行動が死に直結する場合もあるので、うかつな行動は慎むように。」
「了解であります、隊長 (・o・)ゞ
「そして、プレイヤーが無事に脱出する事と同時に、『いかに仲間たちを死なせないようにするか』も重要となります。」
「行動の1つ1つが大切で、間違えると取り替えしがつかなくなるってことか。」
「それに加えて、時間も経過していきますので、限られた時間内で何をするべきかを常に考えて行動しなければならないんです。」
「BGMもSEもこの世界観に絶妙にマッチしていて、確かにこれは極上の緊張感が味わえるね。」


「何が正しくて、何が間違っているのか。それが理解できていない初回プレイでは

 ほぼ間違いなく、主人公以外の全ヒロインが殺されるというのが、慟哭あるある。」

「何その、トラウマになりそうなあるある・・・」





慟哭 そして・・・ 『笹本梨代』



白川子鈴     




「繰り返しプレイすることで、少しずつ物語の核心に迫っていくことができます。」
「周回プレイが前提になってるんだね。」


「そうすることで、シナリオ全体を見渡せるようになり

  ヒロイン達を襲うトラップも回避する事もできるようになるので、無駄に死なせなくても済むようになっていくんです。」

「なるほど、なかなか奥が深いね。」
「ちなみに、ある程度このゲームの流れを把握し、プレイに余裕が出てくれば・・・」
「余裕がでてくれば・・・?」
「見えるんですよ。」
「え!?」





「見えるんですよ、ヒロイン達のパンチラが。次から次へと・・・!!」









『慟哭』 青木千砂×羽鳥いつみ Hシーン



慟哭 『笹本梨代』 パンチラシーン     慟哭 『ノーマ・ウェンディ』 パンチラ&ブラチラ




「パ、パ、パンチラ・・・!?」
「生きるか死ぬかの絶望的な状況の中で、神々しく咲き誇る『希望』という名の一輪の花!!
「どんな言い回しをしようとも、要するにパンチラ・・・」


「ヒロイン達が次から次へと死んでいく極限の緊張感とは相反する至極の安らぎ。

  この絶妙の緊張と緩和が凄いんですよ!!」

「どれだけ力説しようとも、結局はパンチラ・・」
「これぞまさに、ギャップ萌えってことですよ(≧▽≦)」
「それとは意味合いが違うけど、何だかんだでパンチラ・・・」
「ゲームの雰囲気良し、シナリオ良し、キャラクター良しで、ゲーム業界のトリプルスリー達成ってことですよ (≧▽≦)」
「パンチラにブラチラにパンモロのトリプルスリーも同時に達成してるってんだから驚愕だ・・・」
「とまぁ、ここまで長々と語ってきましたが、つまるところまとめると、このゲームは最高だってことですよ(≧▽≦)
「後半のパンチラの印象が鮮烈過ぎたけど、確かにこのゲームの魅力は充分に伝わったよ。」


「ってことで、脱出アドベンチャーゲームの最高峰と言っても過言ではない名作ゲーム『慟哭 そして・・・』

 是非1度あなたも、この危険な洋館に足を踏み入れ、脱出を目指してみてはいかがでしょうか?」

「いかがでしょうか。」
「それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。また次回のゲームレビューでお会いしましょう♪」
「お疲れっした!!」
「バネさんも、ここまでお付き合いいただいてありがとうございました♪」
「いえいえ (ヾノ・∀・`)
「あ、そうだ、最後に1つだけ質問いいかな?」
「ん、なんですか?」





「雪ちゃんはいつになったら、その希望のない人生から脱出できるの?」




「・・・・・・・・・・・・。」
「あっ、自力で脱出できる力もなければ、協力してくれる仲間もいないから、まだしばらくは無理か(笑)」
「・・・・・・・・・・・・。」
「もういい年なんだから、早くしないとリアルにゲームオーバーになっちゃうよ (*´艸`*) ププ






「・・・・・それ以上言うと、慟哭しますよ?」








     

◆ 総評 : 90点

    このゲームを一言で表現するならば『美少女ゲームの皮をかぶったホラーゲーム』
    その言葉に全て集約されると思う。

    手掛かりを探り、アイテムを駆使しながら、閉じ込められた洋館からの脱出を目指す事に
    なるのですが、どの場面でどのアイテムを使えばいいかわからず、またそれがわかったとしても
    そのアイテムをどこで入手すればいいのかわからない。

    そして、その傍らで1人また1人と無残に殺されていくヒロイン達・・・

    『手に汗握る』とはまさにこの状況だと言わんばかりに、常に不安と緊張感に襲われ続ける
    ことになります。そしてそれを煽るかのような演出に、緊迫感の塊のようなBGMやSE。
    このゲームを構成する全てが絶妙過ぎて困ります。

    初見ではまずクリア不可能と思えるほどの難易度の高さも
    このゲームの魅力の1つだと思うわけです。

    自分だけが脱出するのであれば、それほど詰まる事なくエンディングまで辿り着けますが
    1人でも多くのヒロインを助けながらゲームを進行するのは、一筋縄ではいきません。
    自分の無力さをトラウマになるほど思い知らされながらも、少しずつ謎が解き明かされていき
    危機が回避出来た時の爽快感は極上です。

    絵柄を見る限りだと、パソコンゲームからの移植だと思われがちですが
    正真正銘セガサターンのオリジナルタイトルであり、リメイクや他機種への移植もされていないので
    今からプレイするには、ハードルがやや高めではありますが、脱出アドベンチャーゲームとしての完成度は
    同ジャンルを扱うゲームの中では、完全に頭1つ抜けているといっても決して過言ではないでしょう。

    今回はそんな名作ゲームの紹介でした。まる。


    ちなみに、ストーリー的な繋がりはありませんが、このゲームの続編的な位置づけとして
    同システムが採用されている『Revive -蘇生-』(開発当初は『慟哭2 惨劇の回廊』とうい仮名だった)が
    パソコン(18禁)とドリームキャストにて発売されておりますので、本作に興味を持たれた方には
    是非とも併せてプレイしてもらいたい作品です。

    『慟哭 そして』を凌駕する難易度の高さで、ヒロインが無残に殺されていく絶望感が
    再び貴方を待っていることでしょう ( ̄ー ̄) クックック・・・






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