ランス・クエスト マグナム 攻略レビュー
〜有料修正パッチの是非を問う〜



※ 微妙なネタバレと、微妙なエッチ画像を含んでますので、気になる方は「戻る」ボタンをポチッとな。




『ランスクエスト・マグナム』 タイトル画面
タイトル ランス・クエスト マグナム
(ランス[)
ジャンル 世界は救わない 正統派RPG
発売日 2011年08月26日
対応機種 PCゲーム (Windows)
発売元 アリスソフト




今後のエロゲー史において、このゲームを越える事は不可能だとさえ言われた
伝説の超大作ゲーム『戦国ランス(ランスZ)』の大熱狂から5年。

充分過ぎるほどの歳月を経てリリースされた続編が、本作『ランス・クエスト』である。
『戦国ランス』と同様に、タイトルに直接ナンバリングはされていないものの
『ランス[』という位置付けで、ランスシリーズの正式な続編としてリリースされている。


いやー、長かったね。長い、長すぎるよ。


いやー、待ったよね。待った、待ちくたびれたよ。



続編がリリースされるのを、よもや1716日も待たされる事になるなんて・・・
戦国ランスの発売と同時に産まれた子供が
幼稚園の年中さんになる程の歳月が経ってるってんだから


放置プレイにも程がある。


しかも、公式ホームページ上では、開発スタッフが必要以上に
「面白い」と煽りに煽っていたので、前作の戦国ランスの期待度と相まって
放置され続けたユーザーの気持ちの高ぶり度を数値で計測したならば


一瞬にしてスカウターが破壊されるレベル。


   


そんな、はちきれんばかりの期待感を胸に
いざ『ランス・クエスト』プレイ開始!!




ホッホッホ・・・わたしともあろう者がドキドキしてきましたよ。



ランス 『パステル・カラー』


ランス 『パステル・カラー』     



・・・・・まぁ、悪くはないね、うん。



1本のゲームとして考えた場合、確かに悪くはないし、普通に楽しめる。
いや、普通どころか、充分過ぎるほどに楽しめる。


でも何故だろう、このコレジャナイ感は・・・


確かに、ゲームとしては間違いなく良作とも呼べるべき完成度を誇りながらも
あの大熱狂から、ここに至るまでの期待度が大きくなり過ぎてしまい
その期待度は超えられなかったというのが率直な感想。

ただ、その期待度は別としても、致命的なバグゲーム中の不具合
そして、投げっぱなしのシナリオ展開

さらには、シリーズ歴代最多のキャラクターが仲間になるという
ファンにはたまらない謳い文句を前面に打ち出していたにも関わらず、その殆どのキャラクターに


個別シナリオどころか、立ち絵すらない。


と言った感じで、いろんな意味で残念な部分が目についてしまうため
「悪くはないんだけどね・・・」という印象が強く残ってしまったと思われる。


今思うと、不朽の名作『鬼畜王ランス』の続編『ランス5D』がリリースされた時も
今回と同じように5年の月日が経っており、しかもその時の印象も
「悪くはないんだけどね・・・」という、全く同じ印象を受けた事が思い出される。




・・・とまぁ、ここまでは、マイナスな意見のみを語ってきましたが

だったらつまらなかったのか、と問われると決してそんな事はない。

途中でゲームは飽きたのか、と問われると決してそんな事はない。

ムフフなシーンに興奮しなかったのか、と問われると決してそんな事はない (。-_-。) ポッ


最初に述べたマイナスポイントを遥かに凌駕するポテンシャルの高さには
アリスソフトの底力を十分過ぎる程に見せつけられた。



少々前置きが長くなりましたが、寝る間を惜しんで廃人寸前になる寸前までプレイした
『ランス・クエスト』の魅力について、徹底的に語り尽くしていくとしましょう。



さ・・・さすがの俺も睡眠時間を奪われ過ぎて死ぬかと思った・・・
この俺様が、死にかけたんだぞ・・・!!!!




ランスクエスト・マグナム 『導く者・アム』


ランスクエスト・マグナム 『魔人 ますぞえ』     ランス 『上杉謙信』


@ ちょっぴりヌルめのシナリオ。



美女と名高い「香姫」を奪うために
大陸の東の端にある島国「JAPAN」に渡ったランス。

旅の途中に出会った弱小国・尾張の武将、織田信長に軍の指揮を任され
JAPAN全土と美女の征服に乗り出すことに。

ランスは、上杉、武田、今川などの強豪武将を次々と倒し
徐々に「JAPAN」全土を掌中に収めるが
戦いの終盤で、一番信頼していたパートナー「シィル」を失ってしまう・・・


そして・・・


大陸に戻ったランスは、自由都市地帯にある「コパ帝国」にいた。
道中気まぐれ(といいつつH目的)で助けた応学生「サチコ」をお供に
今日も西へ東へ美女と財宝を求め、クエストをやりまくる冒険の毎日!


シィル? がははは! そんなものは後だ後!!



普段と変わらず(?)美女とHしまくるランス。
ところがH目的で訪れたカラーの村で
なんと、
女の子とHができなくなる呪い『禁欲モルルン』を受けてしまうハメに・・・!!

ハイパー兵器を封じられたランスの人生はどうなる?
(でも強い女の子ならHはOKだよ!)


強い美女とお宝を求め、ランスと美少女パーティの冒険が始まる!


(公式HPより)


氷漬けにされたシィルの呪いを解くために
ランス達が訪れたエルフの暮らす『カラーの森』が、今回の物語のメイン舞台となっています。

それに加えて、これまでもシリーズ中に度々語られてきた、世界最大宗教団体『AL教』
謎の集団『導く者』も混ざり合い、物語はより複雑に絡み合いながら展開していきます。

とは言え、これだけ魅力的な要素を含みながらも
過去のランスシリーズにみられたような「シナリオの深さ」はやや影を潜め
それどころか、伏線を張りまくった『導く者』『AL教』については
殆ど回収されないままエンディングを迎えるという、大惨事。


( ゚д゚) ア、アリスソフトさん…、正気ですか…?



いやいや、まさかね。僕らの希望の星であるアリスソフトがそんなことするはずがない。
そうだ、きっとそうに違いない。こんな投げっぱなしのまま終わるはずがない。
きっとこれは、1回クリアしただけでは完結せず、2周目をプレイする事で、ストーリーの全貌が
明らかになるっていう、よくあるパターンのやつだ、きっと。そうかそうか、それなら納得だ☆


ってことで、高鳴る期待を胸に、いざプレイ続行。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・。


・・・・・・・・・。




知ってたはずだろ。
僕がくだらないジョークが嫌いだってことをさ・・・


まぁ、そんな感じで、ゲーム中のバグや不具合が完全に霞む程残念な仕上がりだったため
ユーザーからの不満が噴出し、何度もアップデート・修正パッチが発表されるという
別の意味で大惨事となりましたが、その甲斐もあって『Ver.1.60』までパッチを当てることで
不具合やゲームバランスが解消され、シナリオもいくつか追加され、だいぶストレスも解消されます。

・・・・・が、やはりそれだけでは修正しきれず、特にシナリオ面の補完は到底できるはずもなく
発売から半年後に、アリスソフトが苦肉の策として出した結論がコレ。


     ランス・クエスト マグナム パッケージ

     『ランス・クエスト マグナム』 (¥2400円+税)

このソフト単体ではゲームはプレイできず、『ランスクエスト』にインストールする事で
クエストやキャラクター、シナリオやCGなども大幅に追加されるアペンドディスクのリリース。



平たく言えば、有料の修正パッチ。



賛否両論あるけれど、 この『ランスクエスト・マグナム』をインストールする事によって
『無印版』でのバグや不具合も修正され、さらには投げっぱなしだった『AL教』『導く者』に関しても
大幅すぎる程のシナリオの追加によって、十分に納得のいく仕上がりへと変貌を遂げます。
なので、未プレイの方は『マグナム』の購入を強くお勧めします (※ アリスソフトの回し者ではありません)



光栄に思うがいい!
アペンドディスクまで買うのはランスクエストが初めてだ!!





ランスクエスト・マグナム 『グナガン』     


A 病みつきになるゲーム性。

『クエストRPG』というゲームシステムが採用されており、基本的な進め方としては
クエスト受注 ⇒ 依頼達成 ⇒ 新たな仲間、クエスト等獲得 ⇒ パーティー編成・育成 ⇒ クエスト受注…
上記の流れを繰り返していきながら、物語が進行していきます。
『ランスY』のシステムに近い感じと思っていただけると、イメージがつきやすいかと)。

クエストには最大5名のパーティーを編成して挑むのですが、キャラクターによって
習得スキルが異なり、さらには攻撃スキルも含めて使用回数に制限があるため
『どのキャラ』の『どのスキル』で『どの敵』を攻撃するかを、常に考えながら進めないと
あっという間にスキル回数が底をつき、クエストを断念せざるを得なくなります。

クエスト中のメンバー交代は可能ですが、クエストごとに交代可能回数が決まっているため
強力なキャラをそのクエスト中に終始使い続ける事は不可能であり、かといって
メンバーを片っ端から入れ替える事もできないため、常に頭をフル回転させる必要があります。

それだけに、難易度の高いクエストを一発クリアした時の達成感たるや

マジ、パネェっす(≧▽≦)


さらには、クエストの道中で遭遇する『女の子モンスター』
スキルやアイテムを使用する事によって捕獲ができ、その時の達成感たるや


   ランス 『とっこーちゃん』

マジ、パネェっす(≧▽≦)


このように、強いキャラクターを並べて、適当にマウスをクリックしているだけでは
到底クリア不可能な絶妙な難易度こそが、『ランスクエスト』の魅力だと思うわけです。



     


B クリアするまで気が抜けないドキドキ感。

クエスト中に発見した『宝箱』からは、様々なアイテムが入手できます。
全てではないですが、宝箱を開けた時点では『未鑑定』の場合が多く、それがどんなアイテムかは
クエストクリア後に『鑑定』するまでわからない、というドキドキ感。

また、宝箱を安全に開けるためには、『レンジャー』が習得出来る『宝箱開け』のスキルを
使用しなければならず、レンジャー不在の場合は、宝箱の解錠成功率が30%と下がるため
常にメンバー編成に悩まされる、というドキドキ感。

さらには、クエスト中に入手できるアイテム数の上限が15個と決められているため
どのアイテムを残してクリアするかを悩まなければならず、しかもその多くは『未鑑定』であるため
それが何のアイテムかもわからない、というドキドキ感。


クエスト中に手に入れたアイテムは、そのクエストをクリアしないと手に入らないため
途中で全滅したり、断念した場合は、入手したアイテムは容赦なく全て消滅。

あと1つ、あと1つだけ・・・・と欲を出して、容赦なく全滅する。

そんな『ランスクエスト』あるある。


だが、この極限の緊張感がたまらない。


    


レアアイテムを入手した時は、とにかく強敵に出会わぬように、トラップにかからぬようにと
尋常じゃない程怯えながら、どこに存在するかわからないゴールを目指して彷徨い
そして、容赦なく全滅する。

そんな『ランスクエスト』あるある。



   


ち・・・ちくしょー・・・!!! ちくしょおおお〜っ!!!
何度このセリフを叫んだことか・・・



ランスクエスト・マグナム 『おすすめパーティー』


ランス 『ゼス 勢揃い』     見当かなみ


C 艶やかに乱れ舞うキャラクターたち。

このゲーム最大の魅力は、なんと言っても仲間になるキャラクターの多さ。
新キャラありーの、お馴染みのレギュラーキャラもわんさか仲間になりーので


新旧入り乱れてのオールスター状態。

その数、70人以上。

見当かなみや、魔想志津香、マリアなどのおなじみのメンバーに加えて
上杉謙信や、鈴女、香姫、毛利三姉妹を始めとしたJAPAN勢。
さらには、ウルザにマジック、スケさん、カクさん、ロッキーやカロリアなどのゼス勢も総出演。

それだけでは飽き足らず、『ノア』『ヒカリ』『ユラン』『トマト』など
ヘビーユーザーですら忘れていた超マイナーなキャラまでもが
惜しげもなく仲間になるってんだから、ファンとしては涎が垂れ流れる演出の連続。


ただ、1つだけ残念だった事を言えば
これだけ多くのキャラクターを登場させた代償として
ある種仕方のない事かもしれませんが、仲間になる多くのキャラクターには


個別シナリオどころか、立ち絵すらない。


( ゚д゚) ウルザすら立ち絵がないなんて…、アリスソフトさん正気ですか…?


メインとなるキャラクターですら、個別シナリオが少なく
脇役キャラにいたっては、パーティー加入時にしかランスとの絡みがないという状態。

『ランスクエスト・マグナム』を導入することで、シナリオは大幅に増量されるものの
それでも、立ち絵すら用意されていないキャラクターの多さには残念無念。



だが、しかし!!



そんな事が完全に霞む程に、キャラクターの育成が楽し過ぎるのです。

キャラクターは全8種類の職業に分けられており、職業によって特徴が全く異なっています。
レベルを上げて『スキルポイント』を溜め、それを使用して自由にスキルの習得が出来ます。

   


まさに、あなた好みに育ててねっ☆


特定のキャラクターが一定レベルを超える事で起こるイベントも多いため
どのキャラクターも満遍なく育てずにはいられなくなってしまいます。

しかも、これだけ多くのキャラクターが登場するにも関わらず
『キャラクターメイキング』という、自分の手でオリジナルキャラクターを作成して
そのキャラをパーティーに加える事ができるという、神機能まで備わっています。



ランスクエスト・マグナム オリジナルキャラクター作成


ランス 『闇アリス』     



D オリジナルキャラ作成という神機能。

職業や初期スキルだけでなく、画像やセリフなど細部に至るまで
自由自在にカスタイマズが出来ちゃいます。


ってことで、NMB48のエースさや姉を参戦させちゃいます (≧▽≦)
(さや姉の画像は、同じくNMBのまおきゅん(三田麻央)のイラストを使用しました。)


いやー、NMBヲタの自分にとっては、神機能以外の言葉は思い浮かびませんよ。
ホント、終始ニヤニヤがとまらなくなっちゃいます。



コラそこ、キモいって言うな。


とは言え、オリジナルキャラクターは、何人でも量産できますので
全体的な能力は主力キャラには及ばず、終盤になると力の差が歴然となってきます。


しかし、そこはアリスソフト、しっかり考えてくれています。


『闇アリスの課金部屋』というクエストにおいて
オリジナルキャラの「能力値アップ」や「新スキルの修得」が可能であるため
しっかり育てれば1軍キャラと遜色ない戦力にまで成長させる事ができるんです。


え?そこまで育てるのに、莫大な金額がかかるんじゃないのかって?
はっきり言っておきましょう。


( ゚д゚) ア、アリスソフトさん…、正気ですか…?

ってくらいの、莫大な金銭が要求されます。




だが、しかし!!



その程度の苦難など、NMBヲタの自分にって全く苦にはなりません。
日常生活から、こんな状態ですから・・・


    


選抜総選挙の投票券や、握手券のために
同じCDを何の疑問も持たずに10枚でも20枚でも購入できるように
すでに調教済みなので、この程度の投資など青信号を渡るくらい当然の行為なのです。



コラそこ、キモいって言うな。



マリア・カスタード


ランスクエスト 『ビスケッタ・ベルンズ』      ランスクエスト 『マジック・ザ・ガンジー』



E 眼鏡っ娘こそジャスティス。

ランスシリーズのエース眼鏡っ娘『マリア・カスタード』を筆頭に
ゼス四天王の『マジック・ザ・ガンジー』眼鏡が本体と言われる『メリム・ツェール』
さらには、カフェたん、ビスケッタさん、沖田のぞみまで登場するという



新旧入り乱れての眼鏡っ娘オールスター状態。



メンバーを眼鏡っ娘オンリーで編成するという
眼鏡っ娘属性持ちの人間にとって、夢のようなパーティーが組めちゃいます(≧▽≦)



コラそこ、キモいって言うな。



     

G ってことで、まとめ。


◆ 総評 : 85点

『鬼畜王ランス』から5年の月日を経て発表された『ランス5D』の時も
『戦国ランス』から5年の月日を経て発表された『ランス・クエスト』にしても
あまりに高過ぎたユーザーの期待に、必死で応えようとする開発者サイドの苦悩が
ありありと感じ取る事が出来る作品でした。

とは言え、ゲーム自体の完成度は、決して低いわけではなく
それどころか、廃人になるまで遊び尽くすには十分な仕上がりになっています。

ただ、無印版のままだと、ゲーム中の不具合やバグが目立つため
必ず『修正パッチ』を当ててから、プレイする事を推奨します。

次作『ランス9』以降もプレイを考えているのであれば
アペンドディスクである『ランスクエスト・マグナム』の購入を強く強くお勧めします。

ゲームバランスの調整を始め、キャラクターやクエストの追加
そして何より、『ランスクエスト・マグナム』が正史であると言われるほど
大幅なシナリオの加筆・修正が施され、投げっぱなしだった伏線もしっかりと回収されます。
そういう意味でも、決して損はしないと思います(※アリスソフトの回し者ではありません)


ストーリーの希薄さや、個別シナリオの少なさ等、不満な点も確かにありますが
シリーズ最多の70名以上のキャラクターを、プレイヤー好みに育成が可能であり
考え抜かれたゲームシステムによって、強いキャラクターだけでパーティーを編成し
ただマウスをクリックしているだけでは決してクエスト達成ができない骨太な難易度。

シリーズを通してプレイしているからこそわかる小ネタやセリフも盛り沢山で
新規の方も、コアなファンにも、十分過ぎる程楽しめる作品でした。まる。



※ その他の『ランスシリーズ』のレビューもアップしていますので、よろしければコチラからどうぞ。





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